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インドシナ・スタディツアー
〜初めてのタイ・ラオス〜



  タイ ラオス
総人口 6,085万人 529万人
1人当たりGNP  1,960$ 280$
乳児死亡率 26人/1,000人 93人/1,000人
成人識字率 94% 60%

 平成13年7月31日から8月9日までインドシナ・スタディツアーが実施され、葉山村立葉山中学校の生徒ら総勢16名がタイとラオスの国際協力の現場や文化遺産を視察しました。初めて見た開発途上国の感想を葉山中学校3年生、大志乃さん、長山有希さん、西森理里さんにインタビューしましたので、ラオスの学校建設支援を行っているNGO団体「高知ラオス会」の倉橋静雄事務局長によるラオス紹介と併せてご紹介します。

(左)タイのエメラルド寺院にて


機織りをする少女(ラオス・ルアンパバン)



スタディツアーに参加して、一番心に残ったことは?


青年海外協力隊員が働く病院を見学


JICAラオス事務所訪問


中国から伝わった「溜め漉き」を見学


映画「戦場に架ける橋」で有名な泰緬鉄道


ラオスの子どもたちと一緒に「けんけんぱ」


一般的なラオスの小学校
 やっぱり日本との違いです。ラオスでは、ご飯を左手でちぎって右手で食べるという日常的なことから、私たちの無事な帰国を祈って開いてくれたバッシーの儀式まで、今まで見たことも経験したこともなかったことをたくさん体験することができました。  医療の分野でも日本との違いを見ることができました。見学した青年海外協力隊員が働く病院では、車いす、ピンセットといった基本的な医療器具が足りないそうで、日本の病院のように清潔ではありませんでした。看護婦さんの仕事は点滴をしたり注射をしたりすることで、看護は家族がするという話にも驚きました。

長山 学校が足りない、教科書を自分で買わないといけない、靴を履いていない子どもがいる、ケガをしてもそのまま放置してある。ラオスの教育や生活の現状を実際に自分の目で見て「日本で当たり前のことが世界の当り前ではない」「日本は恵まれている」ということに気付きました。そんな状況の中でも元気に遊ぶ明るい表情の子どもたちを見ていると、日本での「つまずき」や「とまどい」が小さなことに思えてきて、前向きに頑張ろうという気持ちが自然と生まれてきました。

西森 駐ラオス大使が私たちに「日本に帰ったら、ラオスのありのままの姿を伝えてください」と言ってくれたことが心に残っています。現地で見てきたことを友達や後輩に伝えることが私たちの大きな役目だと思います。


タイやラオスの子どもたちを見て思ったことは?

 ラオスの子どもは成長が遅いように感じました。例えば、ラオス人の8歳の子どもは日本人でいうと5歳ぐらいに見えます。タイでは紙コップを置いて物乞いをしている子どもを見かけ、とっても悲しくなりました。

長山 ルアンパバンで訪れた村では、子どもたちが織物を売っていました。最初、それを見たとき「この子どもたちは何をしているんだろう?」と思いました。そして、働いているということを知ってショックを受けました。と同時に、何もできない自分にもどかしさを感じました。

西森 生活環境が悪かったり、教育環境が整っていなかったり、そんな環境の中でも元気に遊びまわる子どもたちを見ていると、その子どもたちにとっては今の生活でも十分幸せなんじゃないか、とも思いました。 印象的だった出来事は?

長山 ラオスの青年に町を案内してもらった時や交流パーティーで、またルアンパバンのタムティン洞窟でラオスに旅行に来ていた欧米人と会った時に英語で話をしました。ジェスチャーを使い単語を並べるだけでも、なんとか言いたいことは通じます。英語ができると世界の人々と話ができるということを身をもって感じました。

西森 タイ・カンチャナブリの「戦場に架ける橋」にも行ってきました。映画の舞台となった場所に実際に立ち、橋や工事で使った道具などを自分の目で見られたことに感動しました。


これから頑張りたいことを教えてください。

西森 やっぱり英語です!今回は英語が話せなくて悔しい思いをしました。もっと話せるようになりたいです。

 忘れ物が多かったので、忘れ物をしないように気をつけます。(笑)

長山 少しでもラオスやタイの子どもたちの役にたてるように中学校でできるボランティア活動を始めたいと思います。スタディツアーに参加したことによって頭の中の地図が広がりました。もっと世界を見て、視野を広げたいです。



「ラオスはこんな国」
高知ラオス会事務局長 倉橋 静雄

角度を変えて見よう
 首都ビエンチャンの年間平均降雨量は1,700mm(高知2,600mm)で乾期にはほとんど雨が降らず、熱帯落葉地帯と呼ばれています。10月から4月が乾期にあたり、校庭にはひび割れができて山は緑を失い枯葉一色となり、野菜に水をやることを忘れると、たちまち枯れてしまうほど地面から水気がなくなります。それでもダムを造り灌漑水路を造って2期作にトライしている現地の人々には頭が下がります。
  足りないお米を補充するため焼畑をするので環境保護団体に嫌われますが、それでも続けなければ誰かが餓死する深刻な問題です。角度を変えて見ると、森林保護の問題よりも食糧支援の問題を解決する方が早道かも知れません。

子どもの足元を見る
 貯金のない時代、日本では我が子が生まれると植林をして将来の結婚資金にする習慣がありました。ラオスの農村では貯金の習慣がなく家畜で資金を貯えます。放し飼いで、たいした手間もかからず道草を食べて利子がつく家畜の多少は、その家の貧富を表します。
 私たちの学校訪問の連絡が届くと、お母さんたちは鶏を売り、子どものサンダルを買います。村内は全戸が養鶏農家ですから遠くの町まで売りに行き、サンダル(15,000キープ=約1.5ドル)を買って帰ります。誰かが鶏の値段が安くなるのではないかと心配しました。
 素足の子どもは未就学だとすぐわかります。私たちが子どもの頃は運動会が近づくと運動靴を買ってもらった記憶があり、どこの国のお母さんも同じだと懐かしく思います。

大きくなったら何になりたい
 日本では子どもによくする質問ですが、ラオスでは対象物がないため工場も事務所も知らない子どもは答えに困ります。身近な「先生になりたい」と答える子どもが多いのですが、花屋さん、食べ物屋さん、服屋さんと答える子どもはいません。教える先生には広い社会の見聞経験がなく、教科書も雑誌もないので夢のターゲットがないのです。新聞も雑誌もない村社会では勉強する価値を見出すことも難しいのです。
 とある小学校で子どもたちに絵を描いてもらいました。山、森、木、川、動物ばかりで自動車や飛行機など近代的なものは見当たりません。怪獣の絵が2枚ありました。珍しいと思ったのか先生は取り上げて壁に貼りました。直接見たこともない怪獣は、テレビか漫画本で見たのだと思われます。
タイのアニメ映画はほとんどが日本製で、豚も猫も犬も服を着てタイ語を話します。初めて見るラオスの子どもは不思議でたまりません。豚に服を着せると言葉がわかるのだと信じています。こんなテレビの電波がメコン川を越えてタイから侵入してくるのです。

2001年8月に落成したパイロム小学校(小笠原小学校)

 ラオスの農村には日本の戦前に似た生活習慣があり、熟年者にはタイムトンネルをくぐり戦前に帰ったようです。若い人もどこか懐かしい感じがすると言うラオスへは5,000kmのタイムトンネル、日本から8時間で行けます。
  高知ラオス会が和田大使の要請で、1995年から始めたラオスの小学校建設ボランティアも皆様のご支援で6年が経過し、今年6校目の学校が完成しました。8月には高知商業高校生徒会と高知県国際交流協会のスタディツアーに参加した葉山中学生、そして高知ラオス会の3団体45名が現地で合流して落成・引渡し式を挙行しました。皆様のご支援に熱くお礼申し上げます。

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