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韓国光州友好訪問団来高


 出逢いがあれば別れがある・・・また会おうね!

 韓国南部の光州市にある私立国際高校の教員・生徒31人(内生徒28人)が来高しました。28人の高校生は『いの町紙の博物館』『土佐和紙工芸村』で土佐和紙の歴史・製紙工程を学習した後、実際に紙漉き体験を行いました。一行はその後、県立高知南中学・高等学校を訪問し、南高校生徒会による学校紹介のあと、書道や華道の日本文化等で日韓高校生が交流しました。以下では、2泊3日のホームステイを含めた高知県滞在中の様子をご紹介いたします。

紙の博物館・土佐和紙工芸村くらうど
“紙の博物館なんて楽しいのかなぁ…紙を展示しているだけだろう?”と思っていたら違っていた。和紙の歴史を分かりやすく映像や道具の展示などでの細かく説明してあり、和紙製品も豊富だった。プロの和紙作りも見学できた。和紙で服が作られることには驚いた。一番印象深いのは、世界一薄い和紙(0.03ミリ)を触ることができたことだ。私が博物館の館長だったら、薄い和紙が破れることを恐れて、生徒が貴重な和紙を触ることを断ったはずだ。
  土佐和紙工芸村に移動し、手漉き和紙はがき作りを体験した。頭の中ではきれいな絵を描いているのに、なぜか実際にはがきを作るとイメージと全然違う。かなり難しかった。でも、初めての体験でとても楽しかった。もう一度してみたい。     /ソ・ミンク

ソ・ミンク くん




高知県立南中・高等学校
書道体験

  墨のにおいが漂う書道教室に入ると、男子は私一人で驚いた。書道は小学校の授業以来で自信がなかったが、チサトという可愛い女の子が、親切に教えてくれた。「書きたい文字を選んでね!」と言って、紙を見せながらBright, heart, enjoyなど英語で漢字の意味を教えてくれた。なかなか上手く書けなかったが、チサトちゃんが褒めてくれたので、だんだん自信がつき、書けば書くほど面白くなり始めた。練習紙を全部使い切ったとき、「もっと練習する?」とチサトちゃん、私はためらわずに「はい!」と答えた。チサトちゃんが色紙を持ってきて「一番自信がある字を書いてみてね」と言った。上手く書かなきゃというプレッシャーで手が震えたが、書き始めるとだんだん乗ってきて、きれいな字が書けるようになった。『心』と『明』という字を書いて落款印を押し、私だけの作品が完成した。           /チョン・ウイル
日本風チヂミ

  朝からドキドキしていた。全く知らない日本料理、ましてや日本語も分からない。最初は緊張していたが、日本人の友達に会うと一気に落ち着いた。4人1組でお好み焼きを作った。韓国のチヂミと似ているようにみえたが、かなり違った。まず、具の量が“チヂミ”より多いこと、タレは付けるのではなくてかけること、タレの味も違う。 
  茶を飲み皆と楽しく話を交わしながら食べた。あっという間に時間が経ってしまった。短い時間だったが、日本人の友達ができて本当に嬉しかった。またこんな機会が欲しいものだ。      
                     /ソン・ゼアン



また南高校に来て下さい

  今や日本は空前の韓国ブームであるが、そんなことより隣の国“韓国”の高校生は一体どんな感じなのだろうか…と私は興味津々だった。
  「私たちと変わらないな」彼らが教室に入ってきたとき思った。彼らはどのように感じたのだろうか。とても印象的だったのが、国際高校の校長先生と、日本語の先生が紹介されたとき、生徒たちが一斉に歓声を上げ拍手をしたことだ。口笛を吹いている人もいた。先生方はニコニコと笑っている。韓国では先生に対して尊敬の念が深いのだろうか。日本では見られない光景だった。
  学校案内のとき、皆それぞれに興味を惹かれたものをデジカメに撮ったりしていた。図書室では、『冬のソナタ』の小説を見つけて「冬のソナタ!」と笑ったり、アニメの本など手に取ったりしていた。「本は好きですか?」と英語で話し掛けてみた。その子は「Yes」とはにかみながら答えてくれた。
  放課後数人の女の子たちが教室を訪ねてきてくれ、とても嬉しかった。国際高校の皆がここで少しでも「楽しかった」と思ってくれていたら何よりだ。是非また南高校にきて欲しい。                       /大元奈保子
韓国からの訪問団を迎えて

  みんながバスから降りてきたとき、そこには何だか韓国から風が吹いてきたようでした。うまく表現できないのですが、韓国でしか感じることの出来ない、彼らが持っている独特の雰囲気や時間の流れに触れたように感じたのです。
  さわやかな高校生たちで、とても好感が持てました。南高校の生徒会の準備した韓国語での挨拶には感嘆の声が漏れました。いよいよ中高生との交流。互いに言葉に苦労しながらも、身振り手振りや片言の英語でしゃべる場面がたくさん見られました。「日本語がもっと出来たら、たくさん話せるのに」そう言った生徒がいました。私たちの生徒も同じ気持ちだと思います。それでも交流の時間の終わりには、必ずメールアドレスを交換したり、写真を一緒に撮る姿、そしてみんなの笑顔がありました。伝えきれなかった言葉、思いがいろいろあると思います。それを伝えるためにも、これからも生徒たちに交流を続けていってもらいたいと思います。この貴重な出会いを大切に、そして友情を育てていってもらいたいです。
           /県立高知南中学校(教諭)伊吹香絵
学生同士の交流や、図書室、クラブ活動に見学をしました。


ホ ー ム ス テ イ
素敵な家族との出逢い

  ドキドキしながら澤田さん家族と対面。家に帰るとお母さんが色々な日本料理を作ってくれた。すき焼きが一番美味しかった。そして日本に来る前から気になっていた納豆が食べられたので嬉しかった。
  翌日アサミちゃんのお祖母さんの家で初めて着物を着せてもらった。凄く嬉しくて感謝の気持ちがいっぱいだったが、言葉で自分の気持ちを十分に伝えることができなかったのが残念だった。午後は龍河洞で鍾乳石や石筍などの造形美を楽しんだ。皆が私を家族の一員として感じてくれているよで、とても幸せだった。
  韓国に6回も行ったことがあるという明るくて面白い叔父さんに会った。彼は韓国語がとても上手でビックリした。
  お別れの日、集合場所には皆の家族が集まり、私たちを見送ってくれた。私も、実の家族との別れのようで、とても悲しく、抱き合った瞬間涙が出てしまった。
  体験して本当に良かった!もし、また日本を旅行する機会があれば、必ず高知県に行きたい。ここは良いところがいっぱいあるが、一番良いのは人だ。私が出逢った澤田さんの家族のように…/チョン・セウン

体験して学んだ日本

  首を長くして待ち焦がれていたホームステイ。昨年会った日本の友だち、川島君の家で過ごせることがなおさら嬉しく、ドキドキしていた。彼の家は、高知県で観光地として一番有名な室戸にあった。室戸で最御崎寺というお寺に行った。印象に残ったのは、二拝二拍手一拝のお詣り作法。そして面白かったのは、一年の運勢を占う100円のおみくじ。「吉」が出たのですごく喜んでいたが、大部分の人が「吉」との説明に少々がっかりした。
  韓国では、ご飯はスプーン、おかずはお箸で食べますが、日本ではお箸だけで食べるので驚きました。それから、韓国では一般的なオンドル(床暖房)があればいいなと思った。
  2泊3日の短い時間に、日本の文化を学んだ。「日本と韓国は近くて遠い国」という偏見はなくなり、とても有益で良い経験だった。家族と別れる時は本当に悲しかった。また高知に行きたいと思う。 /カン・ウォンソク




左:濱田章裕くん 右:キュミンくん
コマオヨ、トマンナヨ!  (ありがとう、また会おうね!)

  ゲストのキュミン君は少々お疲れで緊張の様子、シャイで物静かな性格のようだ。夕食は手巻き寿司に決定。これも“社会見学”とスーパーで食材を選ぶ。恥ずかしがっていた息子たちも好きな音楽や映画、俳優たちの話で盛り上がり始めた。世はおりからの韓流ブーム、もしかすると彼の想像以上に私たちは「韓国通」だったかもしれない。お菓子コーナーの、大きなヨン様のポスターにくすりと笑っていた。
  それにしても娘が大好きなムン・グニョンが彼の高校の一学年先輩だったとは!食事をしながら家族や学校生活の様子を語り合う。勉強が厳しいのはいずこも同じだが、学校の食堂で夕食をとることもあると聞いて驚いた。父親の仕事の都合で6年間アメリカで過ごしたそうだ。どおりで食の嗜好もライフスタイルも“イメージする韓国人”とは違うわけだ。私たち日本人を一括りにできないように韓国の人も一人ひとり違う。お互いの違いを認め合うことの大切さ、当たり前のことだけどなかなか日ごろは実感できないことである。
  翌日、高知城の天守閣から四方を眺める。紹介しつつ自分たちが改めてその良さに気づくのもホームステイならではかもしれない。君の国はあちらだね、彼の故郷のご両親に思いを馳せた。
  最後の晩餐は実家の両親も駆けつけ共に歌いにぎやかなひと時となった。僅か三日間だったがキュミン君は新しい風を確かに我が家に運んできてくれた。この高知での滞在が彼にとってもまた有意義なものであり飛躍への一歩となることを祈っている。     /濱田 恵


新しい風をありがとう!



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