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第6回国際協力市民講座

主催:(財)高知県国際交流協会
共催:国際協力事業団 四国支部

 平成15年6月14日(土)、21日(土)、28日(土)の3回にわたって、国際協力、国際理解教育の各分野で活躍されている方々を講師に迎え、第6回国際協力市民講座を共済会館にて開催します。その講師の皆さんと講座の内容を紹介します。

6月14日(土) 14:00〜16:00 畠中雄平、葛目修治
6月21日(土) 14:00〜16:00 團野哲也、松岡達憲
6月28日(土) 14:00〜16:00 大田裕世、中森道雄
場 所 : 共済会館 金鵄の間 (参加費は無料です)
問合先 : 高知県国際交流協会 TEL088-875-0022




医療機器センターを視察

中年よ大志を抱け!

高知県立療育福祉センター
相談育成部長 精神科医 畠中 雄平



 「中年よ大志を抱け!」これが去年インドシナスタディツアーに参加して国際協力の現場で活躍するシニアボランティアの方たちとお会いして感じた僕の思いです。

 大使館や国際協力事業団の職員や専門家として赴任している人たちと比べて彼らは<援助>に対する気負いがなく、自分の長年培ってきた技術や趣味の延長線上に世界があったというふうにぼくには映りました。もちろんさまざまな葛藤や悩みはあるのでしょうが、日本での生活の基盤をしっかりと確立し公私共に「一仕事終えた」彼らにはそれらの問題にも余裕を持って対応のできるような印象がありました。

 閉塞した時代状況の中、背負ってきたものの重さに耐えかねたように精神的な危機を迎えたり自ら命をたつことを選んだりする同世代のことが、単に自分の仕事に関わるからだけでなく、まさに明日はわが身の切実な問題として感じられていた僕にとって彼らの生き方はひとつの希望に思えました。

 当日は現地での彼らの活動を紹介する写真をお見せしながらそんなことについてお話ができればと思います。

 「お父さん、世界にはあなたを必要としている場所がまだたくさんありますよ」





無邪気な生徒たち

全ては、地球の上で起こっていること

JICA青年海外協力隊OB
JICA青年海外協力隊OB会会長 葛目 修治



 ここ数年の間に、地球温暖化をはじめとする環境問題が表面化してきました。私たち先進国が原因を作り、その被害が環境破壊にはさほど責任があるとは思えない発展途上国にも及んできているのが現状だと認識しています。

 私たちの何気ない日常の暮らしが、結果として開発途上国の人々の生活や命にもかかわっていることを再認識する時が来ているのではないかと思います。

 そのことを一緒に考え行動してゆく仲間を広げてゆくことに取り組みたいと思い、現在、高知県青年海外協力隊OB会の会長をさせてもらっています。

 これからの私たちは一人ひとりが世界的な視野をもち日常の身近な環境を改め、行動することが求められる時代に生きているのではないでしょうか。

 私たち一人ひとりが何気なくやっていることが、積もりつもればどういう影響を世界に与えていくのか。地球の現状を知ることが今後の地球環境にとって、ひいては私たちの生活や後に続く子どもたちにとって大事なことになってくるのではないかと思います。

 そのためには、まずそれを私たち自身が知ることや知ってもらうことが大切だと思い、活動を続けています。





配属先での授業の打ち合わせ

異文化ギャップを楽しむ

JICAシニア海外ボランティアOB
高知女子大学生活デザイン学科 助教授
團野 哲也



 この原稿を書かせて頂いている間(2003年3月)にも、中東地域は益々緊迫の度を深めています。このような国際情勢の中で、私はこれらの地域に在留する邦人の方々の安否をを気遣わずにはいられません。この地域での緊張は9.11以降様々な形で生活に影響をおよぼしてきました。もちろん、ヨルダンはイスラエルを含めた近隣諸国とも平和共存を目指す、中東地域では際立って安全な国です。それでもNYでの出来事以来、世界中の秩序が変化したと同様に、ヨルダンで暮らした帰国前の1年半も、それ以前とは大きく異なっていました。

 私はこのような緊迫した状況下での生活もまた異文化との接触であり、平和を充分に享受している日本人には、まさに異文化ギャップとして直面せざるを得ないものだと思っています。そしてこのギャップとどう付き合っていくのかは、その地域に暮らしている邦人一人ひとりが、それぞれ工夫を凝らして人生の一断章としてある意味で大いに楽しまれていることと関係していると思います。異文化を異文化として素直に受けとめ、それを自身の中にどのように受け入れていくか、これからの国際化社会に生きる私たちの課題であると考えています。





ホームステイ先の家族と

魅力に満ちたイスラエルとの交流

本・イスラエル親善協会高知
代表 松岡 達憲



 イスラエルと言うと紛争やテロが多くて、危険なイメージを抱く人が多いと思います。現在は大変な状況ですがイスラエルもパレスチナ人も周辺アラブ諸国も今後、和平意外に歩むべき道はないことを知っています。近い将来、安全で自由にイスラエルに行くことができるようになり、日本とイスラエルの交流も活発になることでしょう。

 私は大学時代、約1年半イスラエルに留学し、キブツ(共同生活村)やモシャブ(共同農場)で働きながら旧約聖書の原語であるヘブライ語を習い、当地のハイテク農業を学びました。

 そして、イスラエルの人たちとの出会いをとおして、イスラエルの文化や伝統、多彩な考え方などにもふれることができました。帰国後もイスラエルとの交流を続けています。

 イスラエルは不朽の書物「聖書」の舞台であり、死海やガリラヤ湖等多くの名所や遺跡もあり、貴重な野生動植物の宝庫でもあります。また、最近は農業、工業、コンピュータ産業の発達が目覚ましく、特にハイテク分野では世界のトップクラスで、興味が尽きません。これを機会にイスラエルに興味を持っていただき、共に学ぶことができたら嬉しいです。





民族衣装の型紙を作っている

海外生活を楽しもう

JICA青年海外協力隊OG
伊野中学校教諭 大田 裕世



 皆さんベンガル語を見たり、聞いたりしたことがありますか?バングラデシュではベンガル語を使います。人口約1億2千万人、インドの東隣りに位置しています。インドにあるガンジス川の河口付近に広がるこの国は、四国と九州を足したほどの広さを持ち、ベンガルタイガーやロングビーチ(世界一の長さ)で有名です。以前この国は東パキスタンと呼ばれていました。

 青年海外協力隊は日本の政府が行う国際協力の一つの形です。私も2000年7月から2年間、バングラデシュで手工芸を教えていました。

 村では丁寧に作業をする事で自信を持ち、今までできないと思っていたことが、やってみると実は自分にもできて嬉しかったという人たち。彼女たちの熱心な様子に出会えて私もとても嬉しかったです。

 自分の技術を生かし、違う国で生活をする。協力しながら物事を達成していく。私は協力隊員生活で実にいろいろな体験をし、自分の視野を広げることができました。どうしても分り合えないことや悔しいこともありました。が、それと同じくらい嬉しいことや楽しいことがありました。協力隊に参加して本当に良かったと思っています。





記念植樹

日中友好森づくりと心の交流記

安徽省日中友好の森づくりネットワーク
代表 中森 道雄



 1994年に高知県と安徽省が友好提携を締結して以来、高知県森林インストラクター会が中心となって1998年から行ってきた「植樹活動」を一昨年から「安徽省日中友好の森づくりネットワーク」が継承しました。

 ネットワークでは、今まで努力してきた先輩の蒔かれた土壌を基に「木を植えるとともに、心も植える」という目標を持って活動しています。

 昨年は准南市八公山で第十三中学生と植樹の後、湖中学の講堂で湖中学と第十三中学と舞踊や歌、鳴子踊りや日本の童謡等で交流しました。

 今年は東至県歴山公園へ「桜、梅、木犀等」約千本を東至第二中学生たちと2日間植えました。交流会では中国から歌や踊りの披露、日本からは日本舞踊と手品のお返し。最後に『土佐の文化の紹介』として「魚梁瀬杉の宝石箱作り」「貝のネックレス作り」「土佐凧作り」「折り紙」「木の実のクラフト」「木工クラフト」のコーナーを設けて中学生たちとの交流を盛り上げ、今年も物作りの威力の物凄さを実感しました。昨年から中学生と名前と住所を交換し文通を続けている方も沢山います。皆さんも中国へいかがですか。




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