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Letters from Abroad

 高知県出身で、JICA青年海外協力隊の明神弓子さんとJICAシニア海外ボランティアの團野哲也さんからお便りが届きました。





蚕の幼虫やイナゴはとても美味しいらしい

「中国での生活が始まりました!」

明神 弓子  (派遣国)中国  (職種)保母

 現在、中国河南省開封市、郡英幼稚園に派遣されて約1 ヶ月になります。

 ここ開封市は、北京から飛行機で一時間の鄭州という大都市からさらに車で2時間の場所にあります。

 人口は450万人で、町の中心部には約80万人が暮らしています。私の勤務する郡英幼稚園には、中心部で暮らす子ども達が通 園しています。児童数600人、先生90人の本当に大きな幼稚園です。

 気候は、日本に比べて少し乾燥しています。5月中旬まで少し肌寒い日が続いていて、服の下に毛衣(マオイー)という、厚手の下着をみんな身につけていました。

 私の暮らしている町の中心部には、近くに歴史のある公園やお寺が沢山あります。5月の始めに、労働節(ラオドンジェ)といって日本の勤労感謝の日にあたる休みがありました。その時、私の職場の園長先生(2人います)が、2つの有名な古い公園に連れて行ってくれました。先生によると、開封は昔、日本でいう東京で、今でも中国六大古都として有名な観光地だということです。

 私の職場の先生達はみんなとても元気です。よく笑い、よくニンニクを食べ(!)よくおしゃべりをします。私も、言葉はたどたどしいですが、一緒に冗談を言って大きな口で笑っている毎日です。国は違っても幼稚園の先生のパワーは同じだなぁと実感しています。

 園長先生や同僚の先生が食事会に招いてくださって、家庭の味をご馳走してくれたり、まわりの先生が早く生活になれるように心がけてくださっています。おかげで、私もすぐ慣れることができました。

 ボールを蹴ったり、鬼ごっこをしたり、友達とケンカをしたり、仲直りをしたり、子ども達は日本の子ども達と一緒で毎日元気いっぱいです。一緒に遊んでいるときに私の発音を直してくれ“小さな先生”に囲まれて、私の日々の生活は慌ただしく過ぎ去っていっています。

*中国六大古都は他には西安、北京、洛陽、抗州、南京などがあるそうです。 





ジョルダン大学で使用した講義録

「地球益を目指して世界の地球貢献を」

團野 哲也 (派遣国)ジョルダン (職種)レーザー照射研究

 アフガニスタン情勢、パレスチナ緊張など、当地域を巡る国際情勢も刻々変化していますが、家族ともども元気に生活しています。この1年は、まず配属先大学院での授業の実施、また任国でのレーザー施設利用実態調査、さらに2002/2003年度第一学期に実施予定の学生実験の準備等であっという間に過ぎてしまいました。大学院の授業については、配属先大学が”クレジットアワー“制を採用しているため週3時間、15週間分の準備はなかなか大変でした。それでも受講生が授業中のディスカッション、プロジェクトなど真剣に参加してくれたのでやりがいのある4ヶ月でした。

 また、授業の底本に採用したレーザーの教科書を、現高知工業高等専門学校長の中井貞雄先生が編集されていた事、そして授業中の演示用に使用したグリーンレーザーを香北町の高知豊中技研から購入した事など、高知の皆様にもお世話になりました。レーザーの実態調査については、医療用レーザーが民間にもかなり普及していました。特に眼科では、LASIK(角膜内切削形成術)やそれに付随した目の機能検査に多くのレーザー設備が使われていました。その他一部の大学においても、研究教育用にレーザー設備が導入されているところもありました。 

 これらの調査報告は、この秋までにまとめて提出する予定です。気が付けば私の任期も残り半年を切ってしまいました。やらなくてはいけない事、やりたい事、まだまだたくさんありますが、焦らず着実に活動を続けたいと思います。私たちを取り巻く環境の様々な変化を見ると、ボランティアによる国際協力にも配属機関、任国、派遣地域を越えて地球規模での貢献、いわゆる地球益に資するような活動が求められてきているように思います。もちろん個人としての活動は地域に根ざしたものでなくてはならず、またその成果 は微々たるものかも知れません。けれども次の世代の人々と、世界のために何かを残せるような活動となれば何より幸いです。高知の先輩坂本龍馬は”世界の海援隊”を夢見ていたそうですが、私も地球益を目指して”世界の地域貢献”ができるよう今後とも努力したいと思います。



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