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第 5 回 国 際 協 力 市 民 講 座

主催:高知県国際交流協会  共催:国際協力事業団 四国支部

 平成14年6月15日(土)、22日(土)、29日(土)の3回にわたって、国際協力、国際理解教育の各分野で活躍されている方々を講師に迎え、第5回国際協力市民講座を共済会館にて開催します。その講師の皆さんと講座の内容を紹介します。
6月15日(土)14:00〜16:00 村上 雅博、パルフェノーフ・エブゲーニ
6月22日(土)14:00〜16:00 高橋 誠、黄 英信
6月29日(土)14:00〜16:00 吉田 進、吉川 浩史
*場 所:共済会館 赤帝の間 (参加費は無料です)
 問合先:高知県国際交流協会 TEL088-875-0022。




西アフリカの貧困問題と水環境教育の光

高知工科大学 社会システム科
教授 村上 雅博


西アフリカの水環境教育
 何だか難しいテーマですが、当日は「プロープル君浄化槽へ行く」という、小学校の国際理解教室で使用している絵教材を使って水環境教育を紹介します。
 実際の国際協力の現場では、「機材がない」「お金がない」「人材がいない」等のないない状態です。そんな環境の中で、そこの人たちが自力で行えるようにするのが、本当の国際協力です。
 先日、ニジェールの青年海外協力隊員のSさんからお手紙が届きました。 「学級菜園を作り、毎週手入れをしています。子どもたちにとって、とても良い環境になってきました。JOKASO(浄化槽)の紙芝居もザルマ語で始めました。来週から顕微鏡でミジンコを見せる予定です。子どもたちが頑張っている姿をJOKASOの写 真と一緒に送ります。」
 国際協力の現場の姿がイキイキと伝わってきますよね。数字や化学記号を入れるととっつきにくい世界ですが、つまりは「きれいな水が汚くなって、浄化槽の中で微生物が汚い部分を食べてくれて、おかげでまたきれいな水になり・・」というお話です。  当日は西アフリカの様子も紹介します。楽しい国際協力と理解の一時を過ごしましょう。



ロシアと交流してみませんか!

土佐ロシア交流協会
理事長 パルフェーノフ・エブゲーニ


ウスペンスキー大聖堂

 今年初めて体験した高知の冬はロシアの夏のようでした。1月に土佐ロシア協会を設立し高知でロシアの紹介活動を始めました。子どもたちとの感動的な交流や高知の皆さんの優しさにふれて高知が大好きになりました。
 さて、ロシアと言えばモスクワのクレムリンと赤の広場でしょうか?とんがり帽子のようなロシア正教の教会やエミルタージュ博物館も有名ですね。私のお薦めは、ロシア号に乗ってシベリア鉄道を完走することです。
 私自身100回以上もナホトカ・モスクワ間を往復しました。途中、東シベリアの文化・工業の中心地であるイルクーツクという町に寄るのですが、ここではバイカル湖という琵琶湖の50倍もある世界最大の淡水湖の観光ができます。
 97年にナホトカ市で小樽市野球少年使節団のお世話をしたことがあります。主な目的は少年野球の交流試合でしたが、キャンプ場でナホトカ市内の子どもたちやハバロフスクの高校生と共同生活を体験したり、音楽交流会を開催したり、意義深い12日間の中学生ロシア体験でした。
 高知でも「土佐ロシア子ども交流」ができればいいな、と夢を膨らませています。



国際協力現場の取材を通して

高知新聞社社会部
高橋 誠


青年海外協力隊員の活動現場

 昨年11月下旬から半月間、国際協力事業団(JICA)が展開する技術協力の現場を取材しました。訪問国はバングラデシュ、フィリピン、トンガの3カ国で、本県出身の青年海外協力隊員と技術協力専門家を取材しました。取材を通 じて、日本ではほとんど知られることのない技術協力の最前線の様子、そこで活動する県出身者のたくましい姿、その活動に立ちはだかる各国の社会事情もかいま見ることができました。今年1月には小紙朝刊で、その取材内容をもとに「共にあすを−県出身者の国際協力」を連載させていただきましたが、今回はその内容に加え、記事にできなかった話題も含めてお話しできればと思います。
 特に最貧民国のひとつといわれるバングラデシュでは、厳しい医療事情を目の当たりにしました。文化的、宗教的な背景もあるようで、技術協力も簡単に進むものではないことが実感できました。
 今回のお話は最近、政治的にも話題になっている政府開発援助(ODA)の問題点を検証するものではなく、技術協力の最前線の雰囲気をお伝えすることに主眼を置き、パワーポイントを用いて、現地の写 真などもご覧いただこうと考えています。



在日同胞の思いと願いを込めて

在日本朝鮮人総聯合会 高知県本部常任委員会
委員長  黄 英信


45周年記念パーティー
 朝鮮総聯は、朝鮮民主主義人民共和国の海外公民団体として内政不干渉の原則の下に、基本課題である【1】祖国統一実現の運動、【2】在日同胞の人権と生活権を守り拡充する活動、【3】日本や諸外国との友好親善を深める運動に取り組んでいます。
 朝鮮総聯に属する者には、朝鮮籍の者も韓国籍の者もいますが、90%以上の者が南の出身です。なぜ北を支持するのかという質問には、「今日まで在日同胞に対して国が何をしてくれたのかという問題と深く関わっています」と答えています。
 今、日本には、約70万人の朝鮮同胞が住んでいます。私たちの存在には、36年間の日本の植民地支配や強制連行という歴史的な事実が関わっています。今まで、亡国の悲しみ、差別 の壁を乗り越えて愛国、愛族の歴史を刻んで来ました。
 これからも「正しい権利の確立」を目指して、私たちは運動を続けていきます。在日の子どもたちの教育や就職問題、高齢者問題やチマチョゴリ事件に見られるような差別 問題を解決しなければなりません。
 みんなが正しい主張と理解を積み重ねていけば共生社会が実現し、日本の真の国際化も進むものと確信しています。



パナマでの青春を振り返って

青年海外協力隊OB
吉田 進


パナマでの活動風景

  Hola! 国際交流を愛する皆さんこんにちは。私は平成12年4月から今年の4月までの2年間、中米のパナマ共和国で青年海外協力隊員として活動していました吉田進と申します。
 パナマ共和国といえば、あの有名なパナマ運河を想像されるかもしれませんが、パナマにはそれ以外にも沢山の魅力が溢れています。高知では見ることのできない動植物、あるいはエメラルドグリーンに光る青い海、そしてそこで伝統的な暮らしを営む先住民族の明るい笑顔。この魅力満載のパナマを今回皆さんの前で紹介できることを光栄に思います。
 また、私の青年海外協力隊員としての活動もあわせてご紹介したいと思います。私はノベ族という先住民族と共に暮らしていました。彼らの居住地域は大変貧しく、電気や水のない地域もありましたが、それでもたくましく暮らす先住民族を見ていて感動したものです。その感動を今回の講座で共有できれば幸いです。
 パナマや青年海外協力隊そして先住民族の生活に興味のある方、あるいはそうでない方でもきっと満足していただける1時間になると思います。
 それではお会いできる日を楽しみにしています。Hasta pronto!



フィリピン・ベンゲット州と35年そして未来へ

高知県ベンゲット州姉妹交流推進会議
副会長 吉川 浩史


子供たちによる民族舞踊(ラ・トリニダット市)

 私とベンゲット州との交流は長いのですが、講座では高知県とベンゲット州の交流のきっかけから今日に続く流れについてお話しするつもりです。
 高知県では、交流の始まる少し前の昭和40年代後半に青年の船事業を行っていました。この事業に陸上研修を取り入れる話がありベンゲット州を紹介したところ、昭和50年から高知県とベンゲット州の間で姉妹交流が始まりました。
 ベンゲット州はルソン島内陸の標高1500メートルほどの高地に位置しており、フィリピンのサラダボールと言われるほど農業が盛んな土地で、交流事業は主として農業交流を続けてきました。この交流では海外技術研修員の受入をしてきたわけですが、この研修員制度作りに高知県出身の方が深く関わっています。
 ベンゲット州との交流20周年を契機に高知県ベンゲット州姉妹交流推進会議が発足し、訪問団の派遣を行うなど民間交流も活発になっています。
 また、フィリピンでは早くから青年海外協力隊が活動をしていますが、これまでのベンゲット州との交流にも少なからず関わっているので、このあたりのことも少しお話できればと思っております。


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