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Letters from Abroad

 結婚されてマレーシアにお住まいの大原美智さん(越知町出身)と、現在、南アメリカを旅行中の藤田かおりさん(高知市出身)からエアメイルが届きました。現地の風をお届けします!



「マレーシア、ここに感心!」
     大原 美智(マレーシア在住)


マラッカ海峡で有名なマラッカにて
(御主人、美智さんのお母様、美智さん)
 1999年11月、中国系マレーシア人(こちらでは華人と呼ばれる)の主人と結婚し、赤道直下のマレーシアへやって来ました。現在、義理の母と主人の兄、妹、そして昨年生まれた娘の6人で暮らしています。
 マレーシアへ来て一番感心したことは、家族の絆が深いことです。親を中心にお互いが協力し合う、「時間の許す限り家族のために」という姿勢が身に付いていて、とても自然に家族のことを思いやる雰囲気があります。
 特に子どもは家の宝で、家族全員が育児に参加してくれるため、女性にとっては有難い環境です。ですから、働く女性は産休を2ヶ月くらい取っただけで、すぐに職場復帰し、後は家にいる人が誰かれと子どもの面 倒を見てくれるのです。私自身は専業主婦ですが、義母と二人、手の空いた方が娘の世話をするようになっており、自分の時間を十分に持つことができるので有難いかぎりです。
 また、女性にとって有難いと言えば、非常に安く外食できるので、ちょっと家事に疲れたら外で食事をするかテイクアウトで済ませることができます。しかも、多民族国家マレーシアには毎日外食しても食べ飽きないほど豊富な種類があり、家族は喜んで食べてくれるし、主婦は大助かりというわけです。
 マレーシアは人口の60%を占めるマレー人と26%の華人、10%くらいのインド人、その他いくつかの原住民族で構成される多民族国家で、それぞれ異なる風俗習慣で生活していますが、彼らはお互いに相手の文化、習慣を尊重することを子どもの頃から自然と学習しており、習慣的に他人の立場でものを考えるようになっています。
 以上が、特に私の感心したところです。これ以外に習慣の違いにビックリ仰天した笑い話がまだまだたくさんあるので、チャンスがあれば、またお話したいです。


「パタゴニアの大自然」
     藤田 かおり(南米旅行中)


ペリト・モレノ氷河
 ブラジルのリオのカーニバル、ブラジルとアルゼンチンから眺めるイグアスの滝…。様々な印象深い体験をしながら、現在、南アメリカを旅行中です。今回は、アルゼンチン南部パタゴニアでの氷河にまつわる体験をご紹介しましょう。
 パタゴニアは奇形の岩山や氷河で有名なところで、リャマやグアナコペンギンなど珍しい動物が多数生息しています。私は、ブエノスアイレスとは遥かにかけ離れた平和でのんびりした町カラファテに滞在し、氷河巡りのツアーに参加しました。
 早朝、観光客が一番多く訪れるというペリト・モレノ氷河に向けて出発。氷河についての説明を聞きながら山を越えた先に見えてきたのは、エメラルドグリーン色がなんとも美しい湖です。この色は、湖の底の石が山から下りてくる氷河に押され擦れることによって出る粉の色だそうです。氷河の割れ目や空気による隙間、圧縮されてできたクリスタルの部分などに湖の色が反射し、氷河はきれいな水色をしています。
 このペリト・モレノ氷河は早いところで1日、2〜3mほど押し出されては崩れているものの、20年ほど前からほぼ同じ位 置で保たれているそうです。氷河の高さは70〜80m。なんと水中には、その1.5〜2倍近くの氷河が沈んでいるそうです。山を越える途中で流氷を取り上げて少し食べさせてもらいました。無味無臭のただの氷でしたが、少なくとも500年以上2000年近くも前の氷かもしれないと聞くと、とても美味しく感じました。
 パタゴニア最終日、カラファテからバスで5時間ほど走ったところにあるチャルテンという町でアイストレッキングに挑戦しました。早朝から奇形の山を目指して川を越え、山を越え、歩くこと5時間。やっと目的地の氷河に到着です。靴に器具を取り付け、いよいよアイストレッキング開始。氷河はとても美しく、硬く、波があります。溶けて溜まった水は美しい色をし、畝の途中には大きな穴やトンネル、川もありました。数百年以上昔の雪の上を歩いているかと思うと、何とも言えない感動があります。
 これから北上していきます。この先にどんな素敵な大自然が待っているのか…。期待は膨らむばかりです。

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