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Letters from Abroad

高知県出身で、JICA青年海外協力隊員の田中拓生さん、村田典子さんからお便りが届きました。



片側三車線もある大きな道路
「コロンブスが愛した国、ドミニカ」
田中拓生(派遣国)ドミニカ共和国(職種)音楽

首都、サントドミンゴ
 ドミニカ共和国の首都・サントドミンゴはビルが立ち並び、片側5車線もある大型道路には日本車がたくさん走っていて、とても開発途上国とは思えません。大型のスーパーマーケットやデパートもあり、生活用品は何でも揃っています。
 街中の至る所に「マクドナルド」や「バーガーキング」、「ケンタッキー」といったファーストフード店が並んでいて、ゲームセンターにはダンスマニアなど日本のゲームが多数置いてあります。ドラゴンボールやポケットモンスターなど日本のアニメも流行っていて、お菓子のおまけにポケットモンスターの人形が入っていたり、子どもたちが街のあちこちで「カメハメ波〜!」と言ったりしています。

道路はレース場!?
 ドミニカ共和国には人を運搬するための鉄道が無く、人々の足はもっぱら自動車に頼っています。首都での公共交通機関には、定員オーバーの「タクシー」、政府運営の大型バス「OMSA(オムサ)」、乗合タクシー「カロプーブリコ」、乗合バス「グアグア」等があります。こういった商売目的の車が、どの車よりも多くの客を乗せようと先を奪い合って走っているので、街は常にカーチェイスのような感じです。逆走や歩道を走るなんてことも多々あります。歩道橋や歩行者用の信号は極めて少なく、歩行者は危険な横断をせざるを得ません。

ドミニカ共和国の食
 主食は米ですが、米と言っても日本とは炊き方が違っていて水だけでなく油と塩を一緒に入れて炊きます。そのため少し脂っこい塩っ気のあるご飯になります。それにアビチュエラという豆のスープのようなものをかけて食べます。その他、プラタノというバナナの大きいものを焼いたり茹でたりして食べます。
 このような環境の中、親切なドミニカの人々に囲まれて元気にやっています。みなさんもコロンブスが発見し、愛した国「ドミニカ」へぜひ、遊びに来てください!



タクシードブルースで移動中の休憩場にて
「ニジェールを知っていますか?」
村田典子(派遣国)ニジェール(職種)家政

 ニジェールは西アフリカの内陸で国土の三分の二がサハラ砂漠に覆われ、世界でもっとも熱く貧しい国と言われています。着いたばかりの頃は、街の風景や人々の様子が同時代に生きているとは思えない不思議な感銘を受けました。
 茶色の砂埃いっぱいのガタガタ道を色鮮やかな布を巻いた女性たちが頭にいろんなものを乗せて歩いていたり、首からボールをさげた子どもたちが「ガドー、ガドー!」(フランス語でプレゼント)と言って物乞いをしていたり。目の見えない人や手足の不自由な人が、隠さず自ら物乞いをしている姿も…。
 町を走る車はとんでもなくオンボロが多く、天井が剥げ落ちていたり、メーターが動かなかったりといったことも珍しくありません。木とワラでできた市場では、積まれた野菜や肉にたくさんのハエが集っていて、町からは耳慣れない音楽が流れています。こんなニジェールの様子に最初は驚きの連続でした。
 今は、首都ニアメから約800キロ離れた小さな町で活動しています。ここに初めて来る時も道中いろいろありました。鉄道は走っていないので移動はバスかタクシードブルースしかありません。このタクシードブルースという乗合タクシーがニジェールでは主流です。日本でいう大型ワゴン車に15人くらいが定員なのに、それ以上乗せることも平気でします。でっかい荷物は屋根の上にぎっしり乗せ、時には動物も乗せます。しかも人が集まらないと出発しないので長時間待つことも普通です。「あと少しで出る」と言い聞かされ、5時間待たされたのは、さすがにこたえました。おまけに車が途中で故障して、外で1時間待ちました。そんな時でも、私みたいにイライラするニジェール人は少ないようです。
 子どもたちは頭に食べ物を乗せて売り歩いたり、物を運んだりとよく働いています。食料は意外にあると思ったけれど、食べたくても食べられない人が大勢いることも現実です。このことは深刻に受け止めて、これからの活動で少しでも役立つことができればと思っています。

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