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Summer No.22

民間国際交流団体紹介

「ジャズ・ソーセージ」
代表、交渉担当 田辺 浩三
(事務局:〒780-0965 高知市福井町443-9 山崎荘2F東
TEL/FAX 088-871-6792)


ミュージシャンを囲んでの夕食会

 20世紀も残り1年半で終わろうとしている。この20世紀に人類が生み出した新しい芸術分野は、ジャズと映画であるが、高知市内は映画は盛んであるが、ジャズという音楽は一部の愛好家が密かに愛聴する程度で意識は低かった。
 私は大学卒業後、窪川町で20年間暮らしてきたが、この町は昔からジャズファンが多く、日本のトップ級のミュージシャンである松本英彦、北村英治、今田勝らを招いては、高校、中学校、小学校、保育園で総見音楽授業(公立学校では全国初)を試みており、町全体が原発騒動と共にスイングし、ジャズに熱く酔っていた。
 3年前に娘が私立学校に通う関係から高知市で住み始めたのだが、嘸かし高知市内には熱狂的なファンがいるのかと思いきや、ジャズという音楽に芸術性を見い出し、文化活動だという意識でジャズの演奏会を催す者には出会えない。高知市内では、文化人、知識人にとっての音楽は、バッハ、モーツァルト、ベートーベンを演奏するクラシック音楽であり、それを尊ぶ風潮を感じがっかり失望する。それ故に、すぐ高知市内初のジャズサークルを結成し、名をジャズソーセージ(ジャズのボンクラ達の意味)と印す。
 高知市内で活動する以上、主催するミュージシャン達は外国から呼ぶ世界のトップか、日本人でも世界級のミュージシャンと決め、以前からのジャズ仲間10名ぐらいと招へいを始める。96年春は、北村英治スーパークィンテット+1のバンドで県内9ケ所をツアー。97年春は、マルウォルドロン、マラウォルドロン父娘のコンビで県下5ケ所をツアー。その時、窪川高校、土佐清水高校で広島原爆投下の惨劇を表現した組曲「黒い雨 白い道」を教育現場で披露した。
 秋にはリッチーバイラークソロピアノコンサートを武満徹追悼として催し、そしてデザードムーンも呼び、世間を驚かせた。98年夏には、ゲイリーバートン、小曽根真を佐川町の桜座に斡旋し、秋には、リッチーバイラーク、クレガーヒュープナーのデュオで県下5ケ所をツアーする。生徒が30名しかいない馬路村魚梁瀬小中学校で総見音楽会を開いたことが、TBSの「ニュース23」にて15分のドキュメントとして全国にテレビ放映され、毎日新聞においては、21世紀の新しい教育のモデルとして紹介されるなど話題を呼んだ。
 今年は、6月にポールブレイのソロピアノを野市・ふれあいホールに斡旋し、7月にはマルウォルドロン一家14名が県内の小中学校を中心に、演奏と国際交流のツアーを16日間にわたり行う予定だ。このツアーは、ベルギー・ブリュッセルのテレビ局が同行取材を予定している。
 ジャズソーセージのメンバーは、今では25名。世界のトップミュージシャンと直に交渉し、破格の演奏料で高知県に招く。ここまで活発に活動するジャズサークルは、日本国内でも我がサークルだけではないだろうか。

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