ニーハオ安徽 2004年9月発行 第20号 P1 P2 P3 P4 P5

再見! 植樹と心の交流記

2004年3月21日〜3月22日、今年も『安徽省日中友好の森づくりネットワー ク』
と ボランティアの皆さんが植林活動のため、安徽省合肥市を訪問しました。
その時の様子を報告して頂きましたので、紹介します。

《植樹風景》
左から:安芸高校3年生の細川くん,、第50中学校の生徒3人、団長の湯浅氏

第十三中学校と交流して      
高知中学校3年 吉松啓文

  僕は中国・安徽省の植林交流ツアーの一環で、安徽省淮南市第十三中学校と交 流をしました。
  最初の第十三中との対面式では、第十三中の生徒が高知市の南中学校の生徒 と文通をしていることの報告があり、僕の小学校の時の同級生と文通をしてい る生徒がいたことには驚きました。僕とその子は、すぐに仲良くなって、電話 番号を交換したりしました。第十三中だけで7〜8人の生徒たちとも同様に仲良 くなりプレゼントを交換しました。彼らとは植樹にも出掛け、一緒に汗を流し ました。日本の文化紹介では、僕は彼らと、竹とんぼを作りました。彼らは、 きれいな英語で「この火は何に使うの。」とか「ここはどうするの。」という 質問をしました。

  僕はなれない英語で説明し、見本を見せたりしました。出来上がると今度は 飛ばし方を教えました。飛ばして見せると、「オゥーッ」と歓声を上げ、目を キラキラ輝かせながら、とんだ竹とんぼを見ていました。そして「キャッキャ ッキャ」と言いながら竹とんぼを夢中で飛ばしていました。その後、第十三中 の舞踊等の出し物を見た後にみんなでよさこい踊りを踊りました。彼らは僕た ちのマネをして踊っていました。そしてこの踊りを最後に、僕たちの国際交流 は終わりました。

  現地の人々の優しさや温かさに触れることが出来、一生忘れることのない楽 しい思い出となりました。またいつか、どこかでみんなに会えることを楽しみ にしています。


日中友好の森づくりに参加して
    
高知県緑サポーター会  森田 正三


  今年は高知県と安徽省友好提携10周年であり参加者が多いと思われたが、 SARS、イラク戦争によるテロ等が心配されてか?21人と少人数での参加とな った。今回は合肥市内からバスで30分程度の、中国安徽省合肥市植物園で、日 中友好第七回植樹祭が2日間行われた。1日目は、朝からの小雨は現地に着く頃 には上がり、安徽省林業、合肥市の関係者、合肥市第五十中学校生徒50人が参 加し、式典の後植樹に移った。整地された平坦な畑の畝に2列にヒマラヤスギ を植えて行くものだが、土壌は粘土質で雨水を含みベトベトで重く、現地で準 備されたゴム長靴が大きい為歩くだけでも大変。穴を掘ると泥が付き身動きで きない。靴の泥を落とす時間が植栽より長くかかる等、悪戦苦闘。なんとか一 人10本程度植えた頃雨が降り出し植栽は打ち切り、学生たちと団欒をした。
 
  2日目は同じ公園で林業庁合肥市の方、淮南市第十三中学校(14年度一緒に 植栽した学校)生徒が参加し、自己紹介の後植栽が始まったが、前日の雨のた め畑は悪条件。1時間程度で植栽を打ち切り、公司舎広場に移動。我々が準備し て行った土佐凧、竹とんぼ、笛、宝石箱、貝のネックレス、折り紙、組紐作り をチームに分かれて作った。私たち3人(宮地、萩野)は凧作りを担当したが、 3人とも作るのは初めてで不安。それにあまり人気がなく、参加は男の子3人で どうなることか。他のグループは歓声をあげて騒いでいるのに、こちらは昼食 も取らず頑張っている。その頃女の子をはじめ2〜3人と先生、公舎の従業員 等が加わり、昼をだいぶ過ぎてやっと完成。それぞれの凧が空に上がった瞬間、 「ワアーッ」と言う大歓声と拍手が起こったときは安堵と共に、はるばる高知 から竹ヒゴを持ってきた甲斐があったナァーと感激。完成した凧に公舎の従業 員、先生等?からサインを求められたのにはビックリした。ビックリと言えば 前日の第五十中学校の交換会で女性徒に名刺(大栃湖水の風景)を渡すと、即 「日本の景色は非常にきれいでしょう」と日本語で書いて来た。中国では母国 語と英語が主と聞いていたが、日本語も勉強している。第十三中学校の校長よ り戴いた校風、教学風パンフレットの写真22枚の内、我々と植樹交換の写真が 6枚掲載されている。高知南中学校との文通(中森会長仲介)が始まったことも 非常に喜んで話してくれた。七回の植栽を通じて高知に関心を持ち高知との友 好は深まりつつある。植樹の時間は短いが、我々が目標としている「植樹と心 の交流」が達成できつつあると実感。日本人の忘れかけている人情、心遣いを 中国の方々から感じ、多くの感動があり良い旅であった事を、万里の長城の壮大さ、天安門広場の夜景の素晴らしさと共に思い出しながら帰って来た。


再見 植樹と心の交流記

中森 道雄


  今年の植樹地は、牧野植物園と研究協定を締結する予定の合肥植物園。3月 21日、林業庁唐庁長、合肥市雍副市長、合肥植物園の職員、張先生と合肥市第五十中学校の生徒たちと訪中団等100人程で盛大な植樹祭を挙行。3月22日は、 一昨年八公山で一緒に植樹した淮南市第十三中学の先生と生徒たちが遠路はる ばる「私たちと一緒に植樹する為」に合肥植物園まで2時間半バスに揺られて 駆けつけてくれ、9時半に我々が植物園に着くと、一斉に手を振りながら出迎え てくれました。

  以下、先日届いた張校長先生の手紙によると、
「中森団長は、遠くから私を見つけて大きく手をあげながら歩いてきた。私も 彼を迎えて歩み寄りお互いに「元気でしたか」と声を掛け合い抱き合った。西村由美さんは相変わらず真面目で綺麗だ。中国語で「張校長先生今日は。校長先生は書が大変上手ですね」と言って私と握手した。身体が頑丈な坂本さんは、私のところへ走ってきて、諸手で握手。「逢うのが2回目、握手も2回目」と大きな声を連発した。温和な看護師橋田マサ子さんは微笑みながら私に会釈して「今日は」と言った。一昨年宝石箱作りを教えてくれた湯浅文彦さんは眼鏡の奥から感動した様子で、諸手を挙げて「今日は、今日は」と挨拶に来た。私も感動して、皆に礼を返した。

  私たちだけでなく、校長先生も感激したご様子が目に浮かぶようです。第十三中学校の校長先生、先生、学生たちと植樹や土佐の文化の紹介等で楽しく懇談し、学校側から舞踊や歌の披露、訪中団はよさこい踊り等を教え、皆で楽しいひとときを過ごしました。時間はあっという間に過ぎて、別れの時となりました。バスに向かう張校長先生、先生、生徒たちと手を握り、抱き合っての別れとなりました。一昨年も女性たちの涙に後ろ髪引かれた団員たちが今年も同じ思いです。

  先輩や私たちが育ててきた日中友好が『大人同士も大切だが、子どもたちから意識を持って戴いて、植えた小さな苗木が大きく育つように子どもたちの友好関係が育ち、青々と成長して欲しい』と念願しています。幸い、高知南中学校と第十三中学校の生徒各14人が中国語、英語、日本語を駆使して「文通」を始めて戴きました。毎年同じ人数を増やしていくことにより『日中友好の芽』が大きく育っていって欲しいと思います。

  最後に、私たちの訪中にご支援していただきました緑の羽根募金、県の森林局、国際交流課、国際交流協会の皆様及び受け入れでお世話を戴きました安徽省林業庁、合肥市、留学生の皆様に厚くお礼を申し上げます。




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