ニーハオ安徽

2001年 第14号

 

 


手作りの中華料理で誕生日を祝ってくれた
徒たちに囲まれて(筆者中央)
「ボランティア教師奮闘記」
合肥連合大学ボランティア日本語教師 古田 喜美恵


古田さんは2000年3月に高知大学を卒業後、高知希望工程基金会の推薦と安徽省教育部の招へいを受けて、同年8月から合肥連合大学(在学生徒数4,200人)にボランティア日本語教師として赴任、同年9月から中国語ガイド学科の日本語の授業を受け持っています。

 私は昨年の9月から、安徽省の合肥市にある大学で日本語教師をしています。安徽省ではタクシーの運転手さえ「高知県は安徽省と友好都市です」と言ってくれます。しかし、場所はというと「東京から近いんですか?」の一点ばり。

 私が住んでいる合肥市は安徽省の中心都市です。しかし、中心街からバスで20分も行けば、牛が畑を耕しているような田園地帯に出ます。ですから、私の生徒のほとんどが農村出身者で、休暇には故郷に帰ります。ある生徒は休暇中、市場で野菜を売ったりして家の仕事を手伝ったそうです。宿題として時々、日記を書かせることがあるのですが、その生徒は日記に「家族は大変な仕事をしているのだから、私はもっと勉強します」と書いてありました。

 ある女子学生は休暇前、恋人の家へ行くか、自分の家へ帰るか悩んでいました。そして日記には「結局、恋人の家をとり、彼の両親はとても親切で楽しい休みだった」と書いてありました。中国では、恋人ができると大抵、すぐ両親に紹介するそうです。

 中国では町を歩いている人と人の間隔が狭いと感じます。夫婦や恋人どうしはもちろん、女の子どうし、男の子どうしでも仲良さげに腕を組んだり、肩を抱いたりして歩いていることがよくあるからです。最初は驚きましたが、中国の交通事情の悪さを考えると納得できます。私など、よほど危なっかしいのか、建物の中でさえ腕を組まれ「慢慢(ゆっくりゆっくり)」と言われながら歩きます。それはそれとして、回りには迷惑だったでしょうが、生徒たちと腕を組み、大声で歌を歌いながら道を歩いたのは、なんとも気持ちが良かったです。


日本のドラマやアニメが大好きな一年生

新しく世界遺産に登録された古代民家が残る宏村にて

 他にもスーパーで買物をしていると、隣から知らないおばさんが「それは高いからやめたほうがいいわよ」とか、時には「それ何?どうやって食べるの?」と口を挟んできて、いちいち説明してあげることもあります。生徒たちが私の家に遊びに来た時には「先生は恋人がいますか?」と質問され、私が「う〜ん」と考え込むふりをすると、生徒たちから「私たちは先生の結婚式に行きたいです!」との声があがり、みんなで大爆笑したこともありました。

 ゴールデンウィーク(労働節)には、日系の会社の社員旅行に参加させていただいて桂林に行ったのですが、中国語の聞き取り練習のいい機会になりました。それというのも、ガイドさんが中国語しか話せなかったので、日本人の参加者に私が通訳したからです。もちろんまだ通訳というほどのレベルではありませんが、初めて中国に来た日本人の不安やとまどいは身に覚えがあったので、少しでも緊張をほぐしてあげることができればと思い頑張ってみました。かえって周りに迷惑をかけただけだったような気もしますが、良い経験になり、私にチャンスを与えてくれる大人の人がたくさんいることに改めて感謝することができました。

 失敗した経験だけは人一倍あることが自慢の私。いろんな人にお世話になりながらここ合肥で暮らしています。

 上海や北京にはない味わいがある合肥へ、みなさんも是非、いらっしゃってください。

 
 

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