高知県・ベンゲット州友好新聞 vol.8


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My  life  in  Kochi

Delgado M. Valdez Jr.
デルガド M バルデス Jr.

 文部科学省の支給を受け、高知大学に入学。動物生殖工学研究室で5年間様々な動物の生殖細胞の凍結保存の研究を行っていました。


故郷シャングリアのような高知に恋をしました
 最初に気が付いたのは様々な色に彩られた秋の景色でした。周辺を探検するにつれて、さらに高知の豊かな自然の恵みに感動させられました。海は透明で透き通り、山々は濃い緑の葉で覆われ、あまりの美しさに涙がでました。まるで故郷シャングリアのような高知に恋をしてしまいました。最初は熱い希望と興奮であったこの気持がこの5年間でふるさとのような落ち着いた気持へと変化していったのです。

私に私に必要なものが見つかりました
  私の歓迎会で初めて身近な日本人に出逢いました。会話に迷い、パーティの中で孤立してしまいました。ほとんどの日本人が恥ずかしがりやで話し好きでない事に気づきました。この氷の壁を打ち破く方法を見つける必要があると思いました。その時、私は見知らぬ国でよそものであると気づかされました。新しい文化に適応するため、また孤独にならないため、すばらしい知識を得るためにも基本的な日本語でのコミュニケーションを学ばなければならないことが分かりました。新しい知識を得たいと思っていた私には良い機会でした。しかし、彼らが優しくて面白いと分かるのにはそう時間はかかりませんでした。たくさんできた友だちが、楽しい高知での生活の始まりになりました。

さらによい研究ができる環境
  日本人はチームとしてよく働き、時間に厳しく、本当に勤勉で、時間の概念やスケジュール管理が苦手な私は苦労しました。しかし、高度な技術、すぐれた機器を持つ日本のような進んだ国で勉強できた事は有意義な事で、得た情報を活用し専門知識をさらに高めました。最先端技術へのアクセスも容易でした。それは、新しい考えを引き出してくれることもあり、学生はさらによい研究をする事ができるのです。

私を癒してくれるもの
  高知では、嬉しい時も悲しい時も、お酒を飲むということが生活の一部であり、色んな面で癒してくれる相手でもありました。人と飲む時はおもてなしの意味も込めて注ぎ合って飲みました。お酒を酌み交わすと、たくさんの面白い人との出逢いもあり、また、友情をはぐくみ絆も強くもなります。研究と社会的環境の要求によるプレッシャーで本当の自分を見失いそうな時も、自由に自分を表現することができました。

ベンゲットの人々のために働きたい
  私の学生生活は美しい歌の始まりと終わりのようです。今は卒業することができこの喜びに浸っていますが、現在のフィリピン経済は苦境にあることを思うと悲しくもあります。仕事を得るという事は大変難しく、何百万というフィリピン人が海外で働いています。私はできる限り国に帰ってベンゲットの人々の為に働くことを優先させたいです。
  5年の月日はあっというま間に過ぎました。この高知でのすばらしい生活の1ページを永遠に心に抱き、家族や友だちとこの思い出を分かち合いたいです。みなさんに色々な面で大変お世話になりありがとうございました。
MABUHAY




こんにちは! 高知の皆さん

こんにちは!高知の皆さん
  私はベンゲット州にあるマンカヤン出身です。日本人と結婚をして男女二人の子供にも恵まれました。高知に来て約10年になりますが、残念なことに私の日本語はハイハイ程度にもなりません。しかし義理の父母が私達家族をとても支えてくれたので、私はこの世で一番幸せであると言えます。
  私がここ高知で感じた事はみなさんとても親切で、勤勉でまた寛大なところです。そのようなすばらしいところを私は見習いたいと思います。また日本人は本当に時間を大切にしていて、『時は金なり』だと言うことが良く分りました。
  これからもベンゲット州からの海外技術研修員への支援が続くことを期待するとともに、高知県とベンゲット州との友好関係が深まることを楽しみにしております。
 そしてmabuhay Jayong ahat.
 (神のご加護を永遠に)
              安岡アグスティナ



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